コラム

コラム 園のパフォーマンスを上げる「職場づくりのヒント」 第3回

師岡章(白梅学園大学子ども学部教授)

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第 3回 成果の上がる会議のポイント
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 園のパフォーマンスを向上させるためには、全教職員が足並みをそろえ、保育にあたる姿勢が大切になります。こうした教職員同士の意思疎通を図り、目的を共有していくために不可欠な機会となるのが会議です。そこで、今回は、会議のあり方に視点をあて、保育の成果が上がる会議の進め方を考えていきたいと思います。

◆会議に熱心なのは良いけれど・・・
 集団で仕事に取り組む限り、どの園でも会議を大切にしていることでしょう。ただ、園によってはあまり効率的ではないケースも見られるようです。
 例えば、毎日、なんらかの会議があり、個人で仕事する時間がもてない。また、似たような話題をあちこちの会議で話し合うため、無駄が多い。さらに、地位別、また職種別の会議をたくさん設けるなか、各会議内容は報告が主となり、肝心の話し合いが疎かになっているケースもあるようです。
 このように、会議が多すぎる、会議内容が類似している、あるいは、話し合いの場である会議が報告会にとどまっている、といった実態が見られるとすれば、一度、会議の種類や内容を見直す必要があると思います。

◆会議の種類や内容を精選する
 園内の話し合いの場となる会議を見直す際、まず確認しておきたいのは、会議は一定の議題に則り、相談・協議し、物事を決めていくための機会であるということです。
 したがって、園内の会議を精選するためには、まずは相談・協議すべき内容を精査する必要があると思います。
 例えば、報告で済むような話題であれば、朝礼、あるいは終礼など、短時間、顔を合わせる機会に行えば良いはずです。また、園長や主任など園をリードする立場の人が、必要に応じて伝達していけば済む場合もあるでしょう。地位や職種に応じた役割分担を相互に自覚し、園がひとつの組織体となるためにも、進めてほしい工夫です。
 こうした工夫を通して、会議で協議すべき事項が定まれば、会議の種類や内容も整理され、会議数の減少や会議時間の短縮にもつながると思います。業務の効率化という観点からも心がけてほしいことです。会議が本当に大切な事柄について話し合う機会として定着すれば、教職員も会議の重みを理解し、積極的に参画してくれることでしょう。

◆双方向のやりとりを大切に
 会議は進め方によっても、有意義な機会になるかどうかが決まります。
 話し合う機会である限り、参加者全員が平等にやりとりできることが理想的です。しかし、実際には話す人と聞く人が固定され、意見が一方通行となるケースも多いようです。特に、若手の教職員が多く、管理職との間に年齢差や保育経験差が大きい場合、管理職ばかりが発言することになりがちです。
 こうした事態を避けるためには、司会を園長などの管理職が独占するのではなく、記録役も含めて交代で担い合うなど、だれもが会議進行の担い手となる機会をつくることが大切になります。全教職員が会議に主体的に参加する雰囲気をつくるためにも取り入れてほしい方法です。
 そのうえで、司会者には、参加者全員が発言する機会を平等に設けることを心がけてほしいと思います。園で決めることに対し、自分もかかわっているのだと実感できれば、各自の仕事もより主体的になるはずです。そのためには、時に多く発言しがちな管理職に対して、発言を控えてもらうように司会が注文をつける必要もあるでしょう。管理職は、そうした注文ができる姿を教職員の育ちと素直に受け止め、あたたかく見守ってほしいと思います。

◆聞くことも育ちにつながる
 ただ、発言する機会を平等に設けることと、参加者全員が同じ程度に発言することは、イコールではありません。特に若手の教職員の場合、聞くだけでも勉強になることはたくさんあります。また、意見以前に疑問・質問を出し、確認することが大切な場合もあります。「とにかく全員が発言すること!」といった形式にこだわらず、実りあるやりとりを大切にしてほしいものです。
 また、就職したばかりの1年目の教職員は会議の進め方にも不慣れですから、司会や記録を交代制で進めるとしても、その役割を担うことはしばらく猶予してあげる必要もあるでしょう。各教職員が一人前の保育者となるペースにも配慮し、会議を進めていきましょう。

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プロフィール:白梅学園大学教授。幼稚園教諭・保育士として勤務後、保育研究者の道に。東京学芸大学大学院修了。著書に『食を育む』(フレーベル館)、『子どもらしさを大切にする保育~子ども理解と指導・援助のポイント』(新読書社)、『保育カリキュラム総論~実践に連動した計画・評価のあり方・進め方』(同文書院)ほか多数。

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