指導/齋藤二三子(さいとうふみこ)

■ 1月のスピーチ ■
いよいよ園生活のフィナーレを迎える1年の締めくくりとなる大切な時期です。子どもたちも、自らの成長を実感していることでしょう。保育者は子ども一人ひとりの育ちを保障し、園生活が十分に満喫できるよう、楽しい保育の工夫に努めたいですね。

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 お悩みQ&A
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Q.
卒園や進級について保護者の心配事も様々で注意事項が多くなっています。保護者会や入園説明会の場を、笑いなどで和ませたいと考えていますがポイントを教えてください。

A.
楽しいリズムにのって遊べる手遊びは、子どもの心と言葉を育て、親子で育ち合うことができます。
例えば、「お寺のおしょうさん」「一本橋」「おせんべやけたかな」「じゃんけん遊び」など、保護者の記憶にも残っているような伝承遊びを、「くすぐり遊び」「ハグできる遊び」などにアレンジして、スピーチの最後に紹介してはいかがでしょう。また、いつの時代も「子どもの言葉の勘違い」からくる会話には心が癒されます。日々の保育の中で起こったことを紹介するのもいいですね。

一例を挙げると、間もなく小学生になるからと日々張り切っている年長組の会話で、こんなことがありました。行動も活発になり、言葉づかいも乱暴になり、友だちをやたらと「呼び捨て」にしている男子たち。そこで担任が「呼び捨てはいけません」と注意をしました。すると、A君と遊んでいたB君が「A君は、ヨビスケじゃないよ。A君だよ」と反論してきました。

このように、保育者が思わず笑ってしまった、ほほえましいエピソードなどを紹介して、注意事項が多くなるこの時期の保護者の気持ちを和ませてあげましょう。
そのためにも、日頃から親子の楽しい会話を尋ねてみたり、保育者と子ども、子どもたち同士の会話に耳を傾け、保育日誌に記しておきましょう。

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 季節の文例
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1月のテーマ・・・節分の準備・・・

◆文例1◆節分(子どもへ)
節分って何をする日でしょうね。悪い鬼が来ないように豆まきをしますね。悪い鬼は豆が嫌いだからです。皆さんはどんな鬼が嫌いですか? 「意地悪鬼」「風邪ひき鬼」など、いろいろな鬼がいますね。
でも鬼には「泣いた赤鬼」のお話のようなやさしい鬼もいますよ。悪い鬼が園に来ないよう、みんなでがんばって、豆まきで退治しましょうね。

【ポイント】
・低年齢の子どもたちは、鬼を怖がる子もいるので、あまり脅かさないよう配慮する。
・子どもが好きなお話や鬼ごっこなど、楽しい遊びを紹介して、色々な鬼を知らせていく。
・最近では豆をまいて邪気を払うだけでなく、「福を巻き込む」という意味と、「縁を切らないと」いう意味が込められている恵方巻きを食べるなど、色々な風習があることも伝える。

◆文例2◆節分(保護者へ)
「節分」は本来、立春の前日2月3日をさすもので、季節の移り変わりを示していますが、子どもたちにとっては、ちょっぴり怖いけれど楽しみにしている行事の1つです。立春の節分に豆をまく風習は中国から伝わり、「厄払い」「厄おとし」「厄神送り」と呼ばれ、疫病などをもたらす悪い鬼を追い払う儀式として日本に伝わってきました。子どもたちが元気で過ごせるよう、寒さで体調を崩したり、伝染病などにかからないよう、厄払いをしてあげたいですね。

【ポイント】
・まいた豆は「歳の数だけ食べると風邪をひかない」などの慣習もあるが、園でまいたものは無駄にしないよう園庭に来る小鳥の餌にしたり、その豆でお手玉作りをしたりするなどの再利用を考える。
・地方によっては、節分に鰯(いわし)の頭を柊(ひいらぎ)の小枝に刺して戸口に挿し、邪気を払う慣習もある。それぞれの地方の慣習に沿って伝えていく。

◆文例3◆節分(園長から職員へ)
節分は、現在では2月3日とされていますが、本来は季節の始まる日(立春、立夏、立秋、立冬)の前日のことで、「季節を分ける日」という意味です。いよいよ立春となり、子どもたちも1年の締めくくりの時期となりました。私や皆さんにとっては大変緊張する日々となりますね。
時に鏡の中の自分の顔を見て、鬼になっているとドキリとし、「鬼も笑顔」ということわざを思い浮かべて反省することがあります。皆さんは大丈夫でしょうが、時々鏡の中の自分を見つめ、笑顔とやさしい言葉を忘れずに子どもたちと接してください。

【ポイント】
ことわざ・名言の意味
「鬼も笑顔」
恐い形相の鬼でも、笑うと愛嬌があることから、人も容姿に限らず笑顔を見せている方がよいことの例えです。
すてきな笑顔とやさしい言葉かけはあなたの宝物です。どんな時も笑顔を忘れずにいたいですね。

今回のメルマガはいかがだったでしょうか。また、次回もよりよい情報をお届けしますので、どうぞお楽しみに!

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指導/齋藤二三子(さいとうふみこ)
プロフィール:幼稚園教諭を経て幼児教育研究家として30数年。ことば遊び研究会講師、児童文化専門学院、国際学院埼玉短期大学講師、東京成徳短期大学非常勤講師を経て、現在は「言葉と心を大切に」をモットーに幼児教育研究家として教育研修会、実技指導、公開保育、講演活動を通して保護者、保育者の育児指導、教育相談を行っている。

(保育ナビ倶楽部 会員限定メールマガジン 2016年12月27日号「目指せ!スピーチマスター」から)